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スケートの研磨

スケートのブレードも金属である以上、手入れは必要です。シビアな競技であるほど、わずかな刃の状態が結果に影響を及ぼす可能性も高くなります。スケート靴のブレードと言っても、フィギュアスケート、アイスホッケー、スピードスケートなどの大きなくくりでも求められるブレードの性能は大きく違いがあり、刃の形状そのものも違います。フィギュアでは回転やジャンプをする必要があるため、先端部にトウピックと呼ばれるギザギザの溝があり、ホッケー用のものはより小回りが利くよう、ブレード自体が丸みを帯びています(湾曲しています)。これはアイスホッケーの競技の性質上、瞬時に止ったり、ターンをする必要があるからです。

ブレード面を恒常的に研磨することで最も影響のある競技は、スピードスケートです。もちろん、フィギュアスケートでも回転やジャンプに直接的に影響するため、専用の砥石で研磨しますが、こちらはスピードを競う競技ではありません。オリンピック競技などの例を見ればわかるとおり、スピードスケートの選手たちは1000分の1秒を争う競技をしており、加えて、スケートリンク自体が屋内の高速リンクが主流となっているため、余計にブレードとリンクの接触面の状態が気になるところです。

スケートのブレードを研磨する場合には、錆などを取るという以外では、氷面との摩擦抵抗を下げるという場合と、氷面への鋭く食い込むために逆に表面を適度に粗くしたり、バリをつけたりする場合の二通りが考えられます。前者は主にスピードスケートのうち、ロングトラックで用いられ、後者は短距離でのタイムを競うショートトラックで用いられます。

スケートの刃は断面で見ると直角になっており、この氷面と接する部分が平坦であるほど、氷との摩擦抵抗は少なくなるため、同じ力が加わった場合、速度を上げることが出来ます。刃を直角に仕上げるかどうかは、考え方の違いもあり、選手やチームによっては微妙に角度をつけることもあります。

スケートのブレードの材質は、鉄鋼材料の中でもハイス鋼(SKH)などの耐摩耗性や衝撃に強く、靭性のある鋼材が好まれます。鉄鋼材料にダイヤモンドを使うことが出来ないという原理原則に従うならば、CBNが最も適した砥石になるわけですが、手作業での研磨ではダイヤが損耗するほど温度も上がりませんし、むしろ低温低速での研磨ではダイヤモンドのほうが硬度が高いと考えられます。

ダイヤモンド砥石以外では、WAまたはGCやC砥粒といった砥粒でもよく表面を研磨することが出来ます。スケートブレードの研磨をする場合は、鋭利な刃物の先端を磨くのと同義ですので、手袋をするなど安全に気をつける必要があります。またブレード面の状態がかなり粗くなっていたり、傷がついている場合は、粒度の粗いものから用いて、段々と粒度の細かい(粒度表記の数字が大きい)ものへ変えていきます。丁寧に鏡面研磨するのであれば、研磨の工程そのものを複数工程にする必要があります。