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石材研磨

石材には多種多様な種類があり、そのどれもが独特の模様を持っています。石材が人々の暮らしに使われるようになった歴史は古く、世界各地の遺跡を見ればすでに石材を加工する高度な技術があったことが伺えます。現在でも使われる素材としては最も古くから用いられているものの一つでもあります。石材の表面は鏡面のように研磨することもあれば、自然な風合いを出すために意図的に粗い状態の加工をしたり、バーナーなどで仕上げることもあります。それぞれの用途に適した形の表面加工が選択されます。日本には西洋ほどに建築物を石材で作る習慣がないため、国内で消費される石材の種類や量には限りがありますが、研磨加工を行なう目的としては墓石用途が多いというのも特徴です。もっとも、世界の石材加工の8割以上は中国で行われているといわれ、すべての石材の原石は一度中国に入り、加工されて世界に出て行くとまで言われるほど一極集中が進んでいます。ほとんどが建材用途ですが、中国も西洋と同様、石材の消費大国の顔も持ちます。

通常の石材の加工は丁場といわれる採石場からブロック状態で切り出された石の原石を切断し、表面を研削によって削ります。そこから粗工程の研磨、中仕上げ、仕上げとなり、鏡面仕上げにする場合はバフ研磨を行います。建材や墓石に用いる採石は質のよいものを一定の寸法以上で切り出す必要があるため、発破やダイヤモンドワイヤーソーなどを組み合わせて採石されます。

今日、石材の用途としては、インテリア、エクステリア、カウンタートップ、浴室、床材、音響機器の台などから、墓石や彫像、ビルや歩道などの建築材料などがあります。またある種の御影石は熱膨張係数が低く、高い精度を維持しやすいことから精密用の石定盤や、マシンベース、マシンステージ、半導体製造装置分野、FPD製造装置分野など高精度な位置決め制御を必要とする各種製造装置にも使われています。

通常、石材の加工や研磨といった場合には、石の種類は二つに分けることが出来ます。御影石(花崗岩)と大理石です。使われる石材にはこれ以外にもありますが、天然石材と限っていえば、実用上はほとんどがこの二種に分類することが出来、それぞれ数百種類もの石種が存在します。また、近年ではエンジニアリングストーン、人造石、人造大理石といった人工的に作られた石材もあります。これは樹脂などから作った石材とは全く異なるものや、天然に存在する石材や石英などを用いて作ったものなどがあり、それぞれ天然石材にはない特徴を持っています。

現在、石材研磨で最も多く使われているのはダイヤモンド砥石です。石材は金属などと比べても特に硬い素材ですが、同時に脆いという性質も持ち、黒色炭化ケイ素であるC砥粒が研磨材として使われることもありますが、加工対象が御影石の場合、加工に時間がかかり、きれいに仕上げるのが難しいため、ほとんどがダイヤモンド砥粒を用いた砥石が使われます。仕上げのバフだけが例外で、それ以外は削る能力が求められる粗工程からバフ前までダイヤモンド砥石が活躍しています。

石材研磨の多くの用途では数値的な精密さよりも、見た目の色や鏡面の仕上がり具合、光沢度などで検査されることが多く、同じ工具を使っても研磨そのものも職人の腕と目によって大きく違いが出ます。寸法精度や公差も、ミクロン単位やナノ単位で見ることもある他の精密研磨の世界とは異なり、ミリ単位の測定をすることもありますが、官能的な評価が基本です。

石材研磨で特に問題となるのは最後のバフ仕上げを行った後の鏡面の状態です。精密の研磨であれば数値的な測定を行いますが、石材の研磨では目視で多くを判断します。同じように見える「鏡面」でも石種によっては色に深みがあったり、ツヤ質もすっきりとしたクリアなものから、艶やかで重厚なものまであり、プロはこれらで仕上げの良し悪しを判断します。他の材質と違い、石材の場合は石の色も仕上げに影響します。これは同じ石材といっても色が模様が違えば構成している成分が微妙に違うからで、砥石も仕上げ工程では色にあわせて使われます。