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大理石の研磨

天然の大理石は、数ある石材の中では軟らかいタイプで、ただ単に研磨するということだけであればダイヤモンドや黒色炭化ケイ素等を用いた砥石で磨くことが出来ます。とはいえ、美しい鏡面状態のものを得ようとすれば、それに適合する工具と技量が必要になります。石種によっては鏡面を出すことが難しい場合もあります。例えばイタリア産のビアンコ・カラーラと呼ばれる黒い斑の模様が入った純白系の大理石は、鏡面研磨しても「梨地肌」と呼ばれる表面になりがちで、果物の梨の皮のような模様が表面に残留するため、上部から照明をあててもくっきりとした写像性を得るのが難しい材料です。

世界には300種類を超える大理石があるとも言われますが、そのほとんどは日本国外から輸入されたものです。日本は花崗岩(御影石)で知られる産地は数多くありますが、大理石についてはかなり限られています。国内では白やベージュなどの明るい色の大理石が人気ですが、有名な大理石と言えば、イタリアのビアンコ・カラーラ、クレマ・モーラ、ボテチーノ、ギリシャのタソス・ホワイト、台湾の蛇紋、黒色の大理石でスペイン原産のネロマルキーナ、トルコのタイガーベージュ、ポルトガルのモカクリーム、パキスタンのオニックス等があります。これらは「大理石」と総称されていますが、天然素材ゆえ、構成されている物質はそれぞれ違うため、ある大理石でうまくいった研磨材や砥石を別の産地のものに使ってもうまく仕上がらないことがあります。砥石や研磨材の選定によって結果が大きく変わると言われるのはこのためです。

大理石は石材の中では表面硬度が比較的低いことと、酸に弱いなどの理由からインテリアで使われることの多い石材ですが、使われる研磨材としては、砥石のような固定砥粒の場合と、液体状のコンパウンドや遊離砥粒と呼ばれるものの二通りがあります。また一部、ツヤを出すためにツヤ粉と呼ばれるものが使われることもあります。高効率を求めるのであれば、砥石としてはダイヤモンド砥石が有力候補となります。また、大理石研磨には、内装材や床材などの材料そのものを製造する際に行う研磨だけでなく、施工され、使われるようになってからメンテナンスのために行う再研磨もあります。大理石は特に傷が付きやすく、ものによっては爪で強くこすっただけで痕が残ってしまうことがあり、人通りの多い場所の床材として用いられているケースではすぐに輝きが失われ、くすんだ見栄えのしないものになってしまいます。このため、再研磨を実施することで、新品同様の表面にすることができるのも天然石材床の特長の一つです。

大理石は前述の通り、酸に弱い石ですが、レモンやオレンジ程度の酸性の液体であれば、すぐにシミになってしまう程度の耐性しかありませんので、表面をシーラーと呼ばれる下地処理用の塗料(多くは透明です)を塗布して用いられます。ただこれらにも限度があり、シーラーの劣化などから酸が大理石に接触することも考えられるため、あらかじめ酸性の液体がかかるような場所では天然の大理石を使わず、人造大理石や御影石、あるいは人造石を用いるという選択肢もあります。