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電解研磨

電解研磨とは、加工する対象の表面を電気的な力で溶かしていくような研磨加工で、特に機械的に磨くのが困難な複雑な形状でも均一に表面を仕上げることができるため、使われる研磨様式の一つです。「研磨」とは言っても、この手法は砥石や研磨材を使いません。物理的な砥粒を使う場合は、加工変質層ができることになりますが、そもそもこの手法はこうした現象とは無縁です。電解液と呼ばれる液体の中に、加工したいワークを入れ、ワークそのものを陽極として電気的に表面だけを溶かしていく手法です。

金属表面を輝かせるような加工や、不純物の除去、非常に細かい面の凹凸除去、バリ取りや下地作りにも使われます。多くの金属材料の表面は、周囲の酸素と反応して薄い被膜ができます。不動態被膜等とも呼ばれますが、この膜はステンレス等では腐食を防ぐ効果がある反面、研磨加工では表面を削る側から再生していくため、加工上は邪魔な存在でもあります。電解研磨の場合は、電解液のなかで表面を溶かしていくのですが、この不動態被膜に加工が阻害されることなく、膜そのものを生成させていくため、仕上がった時点では緻密な不動態被膜が表面についているとされます。

仕上がり面の面精度は高いほうではありますが、ラップ研磨や他の鏡面研磨の技法とは狙いや目指すところが異なるため、仕上がり面そのものは違うものと考えたほうが良いでしょう。精度的にはナノオーダーのものも可能です。ただ、ミリ単位の凹凸などの除去にはあまり向きません。表面をわずかに溶かしていく加工手法のため、加工前の段階でかなり凹凸があると、その凹凸を残したまま面が仕上がっていきます。したがって、電解研磨の前には物理的な研磨を経て、バフ研磨なども併用して平坦な面を作ってから行うことが一般的です。この前処理がうまくいっていないと、電解研磨後に、見えていなかった微細な傷などがくっきりと浮いて出てしまうこともあります。

金属で主に使われる手法ですが、電気を通す必要があるため、電気を通さない材料や通しにくいものには適しません。金属材料の中でも特にステンレス(SUS)で多用されることの多い研磨手法です。

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