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御影石の研磨

風化に強く、耐薬品性にもそこそこ優れ、何よりも高い硬度を持つことから建材として最も多用される石材が花崗岩(御影石)です。常に風雨にさらされる事を前提に作られる墓石も、この御影石で作られています。石材の国内需要のほとんどはこの花崗岩で用途は墓石が最も多く、次いで建築材料や石碑、モニュメント等とされます。国内で使われる石材のほとんどはこの御影石か大理石と言われますが、大理石と異なりGC砥石やC砥石などの通常の砥石では加工が容易ではなく、なかなか表面を削り落すことができません。したがって現在ではほとんどの御影石の研磨はダイヤモンド砥石が使われ、仕上げ工程に相当する部分で石材用のバフが使われています。

鏡面研磨された石材は、照明がくっきりと写りこむほどのもので、まさに鏡面そのものになります。色の深いものや濃いものほどこの写像性は高くなります。表面の凹凸や鏡面の度合いは、「表面粗さ」として計測することは精密用途の石材定盤以外などでは稀で、目視で判断されるか、光沢計を用いた「輝度」「光沢度」といった数値で判断されます。研磨によってのみ実現可能なこうした鏡面仕上げのほか、石材の表面に施す加工には自然な風合いを持つバーナー仕上げや叩き仕上げ(ビシャン仕上げ)などもあります。

御影石の模様・デザイン・色彩は産地により多様なものがあり、その種類は数百にも及びます。天然石材の種類は産地の数だけあると言われ、国によっては大きな産業となっているところもあります。インテリアや内装材としてもよく使われる海外では、デザインや模様にも流行があり、国によって人気のある産地も違います。日本では御影石は墓石やビルの外装や床材などのイメージが強いため、灰や黒の深みのあるものが想起されがちですが、国によっては国民性を反映してか、桃色や赤、茶色やカーキ色、緑、青系統などカラフルなものも使われる傾向があります。

なお御影石で有名な産地としては、インド、ブラジル、ノルウェー、フィンランド、中国、南アフリカ、ポルトガル等があります。日本では愛媛の大島石、香川の庵治石、青木石、茨城の稲田石、山梨の甲州小松石、福島の青葉石などが産地として有名です。なお、「御影石」の名称は元来、兵庫県神戸市の地名である旧武庫郡御影町、現在の東灘区御影石町を産地とする花崗岩のことを指していましたが、現在では花崗岩=御影石として知られていますので、ここでもこれに習って御影石を花崗岩の意味で用います。

総じて言えば、日本国内では白色系、赤色系、黒色系で模様はゴマ塩状のものが多く出回っています。模様や色が違う石材は構成されている成分や鉱物が異なるため、正確に言うのであれば同じ御影石といっても同じ物性を持っているわけではありません。御影石の構成成分は、石英、カリ長石、斜長石、黒雲母、白雲母、普通角閃石、磁鉄鉱、柘榴石、ジルコン、燐灰石、輝石等と言われますが、御影石の種類によってこれらの含有比率が違います。石材の場合、同じ色でも模様が違うということは、こうした構成物質の比率が違うことになるため、研磨に大きく影響する要素と言えます。工業材料とは違った天然素材ならではの特徴の一つです。

なお、キッチントップやカウンタートップ、テーブルなどに使われる御影石の中には天然のものではない人造石と呼ばれるものが使われる場合があります。人造石はエンジニアリングストーンとも言われ、天然の素材や人工的な素材を組み合わせて作られており、天然の石材とは異なる材料です。これらの研磨にはこうした材料に適合する砥石を選ぶ必要があります。

石材の品質は見た目のほか、吸水率で見ることもあります。これは石材の劣化の多くが水に起因するからで、より水を吸いにくい、つまり吸水率の低いものほど耐侯性、耐久力に優れ、風化しにくいと言われているからです。外観上も、目の細かいもののほうが高級品として扱われますが、キメの細かい石肌のものほど目が詰まっているため、水を吸いにくいと考えられます。石材は墓石や建材と用いる場合、時間が経つにつれて風化したり劣化したりする「経年劣化」が問題となるため、石材の品質はよほど悪いものでない限り、建造後や建立後にすぐに問題になることはありませんが、あとあとになって目に見えて素材そのものの品質の良しあしや加工の出来不出来が明白になります。こうした経年劣化に対しては、質の高い研磨や、研磨後に石材の表面をコーティングしたり、石の表面にある空孔を埋めるシーラーを用いて保護するのが効果的です。